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山西 敏彦; 奥野 健二
Fusion Technology, 28(3), p.1597 - 1602, 1995/10
核融合炉では、冷却水及び廃水からのトリチウム回収システムの研究開発が重要課題の一つとなっている。水-水素化学交換塔、特に水と水素の向流接触が可能な液相化学交換塔は、この水処理系に有望なシステムと考えられる。核融合炉の水処理系では、トリチウム濃度は、水に自然に含まれる重水濃度と比較して充分に小さい。すなわち、塔のトリチウムに関する分離特性を議論するためには、重水も含めた水及び水素のすべての分子種(12分子種)を考慮する必要がある。筆者らは、この12分子種すべてを取り扱うことのできる化学交換塔の解析コードを開発した。本報告では、開発した解析コードにより塔の分離特性を詳細に検討するとともに、分離特性に影響を与える因子(塔内蒸気流量,水素流量,温度,還流比,重水濃度)を議論する。
木下 正弘; 松田 祐二; 成瀬 雄二; 田中 吉左右
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(7), p.525 - 539, 1981/00
被引用回数:11 パーセンタイル:78.09(Nuclear Science & Technology)深冷蒸留法は、核融合炉燃料給排気系の水素同位体分離プロセス用として最も有望視されている方法の1つである。そこで、深冷蒸留法に関する研究開発の第1段階として、深冷蒸留塔の定常時の分離特性を解析するためのコンピューターコードを開発した。4本の蒸留塔と2基の同位体平衡器から構成される典型的なシステムを対象とし、システム最適化のための詳細なパラメーターサーベイを行い、全理論段数、還流比、フィード供給段位置が塔の分離特性に及ぼす影響を明らかにした。また、トリチウムの崩壊熱の影響について調べ、フィード中にトリチウムが高濃度で含まれている場合にはかなりの分離性能低下が起こるため、還流比を増すか、塔の回収部を冷凍しなければ性能は確保できないという重要な結果を得た。さらに、現在までに報告されている工学データをもとに、各塔の概略の規模(充填高さ、塔内径、コンデンサーの負荷など)を評価した。
木下 正弘; 成瀬 雄二
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(8), p.595 - 607, 1981/00
被引用回数:10 パーセンタイル:75.8(Nuclear Science & Technology)深冷蒸留システムの制御系を設計するためには、システムの動特性を把握しておくことが必要である。そこで、先に我々が最適化シミュレーションを行った核融合炉燃料給排気系の深冷蒸留システム(4本の蒸留塔と2基の同位体平衡器から構成される)のうち、第1塔(全理論段数=70)を対象とした動特性解析を開始した。塔の缶出流中のプロチウムHのアトム分率Xを制御変数、還流比を操作変数、フィード流中のHのアトム分率Zの変化を外乱に想定し、調節計にPI(比例積分)動作を選定した負のフィードバック回路を構成してXを定値制御することを考えた。その場合に安定かつ良好な制御を得ることができる比例感度K及び積分時間Tiの値の決定基準を導いた。さらに、Zのステップ変化に対するXの応答をK及びTiの値のいくつかの組み合わせに対して調べ、その決定基準の妥当性を検証した。